テーマ74.抗がん剤に伴う悪心・嘔吐と治療薬

抗がん剤を使用したときに起こる悪心・嘔吐は乗り物酔いをしたときに起こる作用とは異なるものです。 

3 種類の経路によって、悪心・嘔吐が発現します。

① これまでに受けた抗がん剤により悪心・嘔吐を経験し

たことや、その他の精神的因子や感覚刺激によって誘発

される大脳皮質を介する経路です。

 

また、嘔吐は、延髄の嘔吐中枢(TVC)と呼ばれる部

分が刺激を受けることによっても発現します。

② 抗がん剤などの嘔吐誘発物質が、延髄にあるCTZ

(化学受容器引金帯)と呼ばれる神経伝達物質が集まって

いる部分に直接作用し、その刺激がTVCに伝えられる

ことによって発現します。

 

③ 抗がん剤が、消化管粘膜の腸クロム親和性細胞を刺激

することにより、ここから5-HT3と呼ばれる物質が

大量に分泌されます。5-HT3は、腸の神経終末にある受容体を刺激し、CTZなどを介してTVCに刺激が伝えられ嘔吐が発現します。これ以外にも、消化管に受けた刺激がさまざまな神経伝達経路をとおして、TVCを刺激することもあります。

テーマ74.抗がん剤に伴う悪心・嘔吐と治療薬

単元1

 

アロカリス(一般名:ホスネツピタント)

 

プロイメンド(一般名:ホスアプレピタント)

 

ジプレキサ(一般名:オランザピン)